ビジョンブック
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■■■■■■■■■■■■■■■■■■■Story.3小学生の時にフリースクールに通う環境問題に関心をもち、将来は留学を夢見る主人公:男子高校生 僕は小学生のころ、学校に行きづらくなった時期があり、フリースクールに通っていた。そこで学校とは違った居場所を見つけ、世代を超えた友達もできた。 その時、父が僕にかけてくれた言葉に今でも感謝している。 「人はそれぞれみんな違う。お父さんの会社だって、外国の人や障がいのある人など、いろんなバックグラウンドを持った人がいて、その多様性が会社のパワーになっている。昔は男性ばかりの職場だったけど、今の元気な会社をみると、多様な考えや意見がこれからの時代には必要だと思うんだ。だから、お前はお前の頑張れることをやればいい」かつての父は仕事一筋で家にはほとんどいなかった。けれど僕のことを考え、働き方を見直して毎日早く帰ってきてくれるようになった。父の会社は家庭の事情に合わせて柔軟な働き方を認めてくれたようだ。おかげで、2人で一緒に様々なことを楽しむ時間ができた。父の得意だったギターに僕もはまり、街なかで開かれるイベントに出場して一緒に演奏したこともある。 僕がフリースクールで体験した環境学習をきっかけに、母は地球環境や自然に気を使っていることをたくさん教えてくれた。 「わが家は『信州健康ゼロエネ住宅』といって、冬でも暖房をほとんど使わない高気密な設計で、使う電気は屋根ソーラーと蓄電池でほぼまかなえている」 「いつもの買い物は、人や社会、環境に配慮したものやサービスを選ぶようにしているし、フードバンクを通じて食品ロス削減にも取り組んでいる」 そんな母の影響もあって、僕は高校生になると長野県が主催する環境イベントに参加し、行政や企業の方と一緒にゼロカーボンに向けたアクションを考えた。同世代の仲間や、行政、大学、企業の活発な取組を知ると、僕が親になる頃には、ゼロカーボンの達成も夢ではないと思う。 両親の支えやフリースクールでの出会い、学び、そして環境に関する活動を通して僕も夢を持つことができた。いずれ海外の大学に留学して最先端の研究を行い、環境問題を解決する革新的な技術を開発したい。それをいつか長野に持ち帰って、長野から世界を変えるんだ。■■■■■■■■■■■■■■■■■■22■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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