第1編現状と課題第3章 長野県の特性18白馬岩岳の新展望エリアワーケーションウェルカムデイズ信濃町ノマドワークセンター信州リゾートテレワーク4 多様な文化と豊かな交流5 大都市圏からのアクセスの良さに囲まれ標高差が大きいため、気候や自然環境、生態系が多様性に富んでいます。日本海に注ぐ信濃川(千曲川・犀川)、太平洋に注ぐ天竜川や木曽川などの多くの川が縦横に流れ、豊かな水源を有しています。晴天率が高いことや、水量が豊富で傾斜地が多いこと、森林資源が豊富なことから、太陽光や水力、木質バイオマス*といった再生可能エネルギーのポテンシャルに恵まれています。また、日常の喧騒を離れて雄大な自然に触れるキャンプ・グランピングや、四季折々の絶景が一望できる白馬や志賀高原の山頂テラス、非日常空間で新たな価値を生み出す信州リゾートテレワークなど、豊かな自然環境を生かした取組が様々な分野で進んでいます。一方で、急峻な地形、脆弱な地質に加え、活断層、火山など自然災害のリスクが常に存在しています。山々に囲まれた広大な県土の中に、盆地や谷ごと、都市部と山間部が近接して地域が形成されており、それぞれに独自の文化が育まれています。中央構造線とフォッサマグナが交わる特異な地形は、信州最古のブランド「黒曜石」を通じた縄文人の交流をはじめ、「塩の道」による塩や海産物と山の幸の交易、中山道などの宿場町の賑わいなど、東西南北の交流の結節点として信州に多彩な交流をもたらし、多様な文化を育んできました。先人が守り伝えてきた山岳景観などの自然資源や、祭り、伝統芸能、伝統的工芸品、歴史的建造物などの歴史・文化資源が豊富に存在し、県内外から多くの人をひきつけています。また、1998年に長野市を中心に開催された長野オリンピック・パラリンピックは、本県の知名度向上やスポーツへの関心の高まりに加え、ボランティア精神の高揚や国際交流の発展をもたらしました。国際的に高い評価を得た一校一国運動は、その後のオリンピック・パラリンピックに受け継がれ、平和や異文化理解の重要性を世界に伝えるレガシー*となっています。日本の中央部に位置し、県内の多くの地域が東京、名古屋から200km圏内と、大都市圏からのアクセスが良く、交通や輸送などの利便性が高いです。高速道路や新幹線、信州まつもと空港など広域交通網の整備により、東日本と西日本、太平洋側と日本海側をつなぐ結節点として重要な役割を担っています。今後も、中部横断自動車道や中部縦貫自動車道、三遠南信自動車道などの高規格道路の整備や、北陸新幹線の延伸、リニア中央新幹線の開業など、更なる交通ネットワークの構築が進むことで、人々の交流や経済圏の一層の拡大が期待されています。
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