計画書(全体版)
14/302

第1編現状と課題第1章 長野県を取り巻く状況6AIを活用したオンデマンドバス(塩尻市)2 スイス 国際経営開発研究所(IMD)6 社会におけるデジタル化の急速な進展近年、5G、IoT*(モノのインターネット)、AI*(人工知能)をはじめとするデジタル技術が急速に発展しており、国ではこうした技術の社会実装を進め、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会である「Society 5.0*」を実現していくこととしています。7 社会に存在する様々な格差8 ライフスタイルや価値観の多様化一方、世界デジタル競争力ランキング2(2022年)では、日本は63か国中29位と過去最低の順位となっており、特に「人材」カテゴリーでは50位と低位となっています。また、新型コロナウイルス感染症への対応において、行政、民間におけるデジタル化の遅れやデータ連携・利活用環境の整備不足など日本のデジタル化をめぐる様々な課題が浮き彫りになりました。これらの課題を解決するため、国ではデジタル社会の実現に関する司令塔としてデジタル庁を創設し、またデジタル田園都市国家構想を掲げ地方のデジタルトランスフォーメーション(DX*)を推進する方針を示しています。中山間地域が多い長野県にとって、デジタル技術は暮らしの利便性向上や中小企業の生産性向上などの地域の課題解決に有効なツールであり、国の動きにも呼応しDX*を推進するとともに、先端技術の活用にも積極的に挑戦し、地域の魅力向上にもつなげていくことが必要です。様々な分野における規制改革により経済の活性化が図られてきた一方で、正規雇用・非正規雇用間、男女間における所得格差や雇用格差、貧困による子どもの教育格差や学力格差など、社会の様々な場面で格差がみられています。また、新型コロナウイルス感染症の影響等により、支援を必要とする生活困窮者が増加したほか、自粛生活での女性の家事・育児時間の増加、DV相談件数や自殺者数の増加も全国的に課題となりました。感染者や医療従事者等への偏見や差別の発生、対面の制限等による人とのつながりの希薄化や孤独・孤立の深刻化といった新たな課題も生じています。さらに、障がい者、外国人、LGBT*等の性的マイノリティ*に対する偏見や差別といった課題は依然として存在しています。格差の拡大・固定化、連鎖を防ぐとともに、性別、国籍、障がいの有無といったことにかかわらず、誰にとっても居場所と出番がある公正な社会づくりを進めていくことが必要です。近年、テレワークや副業・兼業といった柔軟な働き方、二地域居住*への関心の高まりなど、人々のライフスタイルは一層多様化しています。加えてデジタルネイティブ世代であるいわゆるZ世代*が社会人となり始めるなど、新しい価値観を持つ世代が社会の主役になりつつあります。また、物質的な豊かさが一定程度達成される中で、生活の質やゆとりある暮らしを重視する傾向が高まっており、しあわせや豊かさに関する価値観も多様化しています。人生100年時代を本格的に迎える中、変化の激しい時代に柔軟に対応していくためには、いつでも学び直すことができ、転職や起業、新しい分野への挑戦を選択できる社会が求められています。ライフステージや自らの価値観に応じた多様な働き方や暮らし方を選択できることや、挑戦や失敗(トライアルアンドエラー)を許容し、多様性を認め合う社会づくりが必要です。

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る